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文字を帯で見る話

えっとね、文字を読むときの、目でどうやって文字を見ているかという話をしようと思うんだけど、そもそもこんなことに興味のある人いるんですかね?...まあいいか(笑)

日本語をどうやって把握しているか?

とりあえずこんな文章があったとする。

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがとあるむらのとあるじゅうたくにすんでいました。

ここで、日本語ネイティブの人は「む」「か」「し」と読んでいるわけではない。「むかしむかし」というくらいの幅で文字を読んでいて、それが一度に脳内にインプットされる。そしてそれが「むかしむかし」→「昔々」で、物語の始まりのフレーズだな、という認識まで一瞬で変換されている。そしてその認識の帯の幅は一定ではなく、適宜伸縮して、そしてその帯の次の文字もうっすらと視界に入っていて、それを予測しながら読んでいるんですな。

どういうことかというと、赤が今読んでいる文字、オレンジが視界に入っている文字であらわすと、以下のような感じになる。

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがとあるむらのとあるじゅうたくにすんでいました。
むかむかし、あるところおじいさんとおばあさんがとあるむらのとあるじゅうたくにすんでいました。
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがとあるむらのとあるじゅうたくにすんでいました。
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがとあるむらのとあるじゅうたくにすんでいました。
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがとあるむらのとあるじゅうたくにすんでいました。
むかしむかし、あるところにおじいさんおばあさんがとあるむらのとあるじゅうたくにすんでいました。

オレンジは全体視のような感じで、見えているけど、優先度は赤の次なので、そこにその文字があることはわかっているけど、脳内でダイレクト変換されるほどではない、という状態。

これはおそらく人によって個人差があって、自分の場合、だいたい 5-6 文字が帯 (赤) の中で、前 1-2 文字、次 2-3 文字がオレンジに入ってる。速読ができる人は、これ一行まるごと一つの帯でとらえてるんじゃないなかな。逆に文章を読むのが遅い人は、帯の幅が狭いのと、オレンジの予測範囲が狭いので、次に何が来るかわからずに 2-3 文字ずつ読んでいて、次に来た文字との関連性を考えたり、連続して読み方が変わる熟語なんかに手間取ったりしているので余計時間がかかる、という具合ではないかと思う。

ここで、これは母語である日本語なので、「連続した文字としての言葉 (単語) を認識する → 意味を把握する」これが瞬時に行われており、手間がかからないということがある。

ことは英語でも同じ

そしてこれを英語でやってみる。

例文は上のと同じものを適当に英訳したものを使う。

Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.

で、これをさっきの赤とオレンジでやってみる。ネイティブはたぶんこれくらい。

Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.

で、英語に多少なれているおれはこれくらい。

Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.

日常生活で英語をほとんど使わない人の例としてこれくらい。

Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.
Once Upon a time there were an old man and his wife living in a house in a countryside.

という具合に、一単語ずつ読んでいては速度が遅い、ということを視覚的におわかりいただけたんじゃないかと思う。あ、ひょっとしたらスマホだとブラウザの幅が狭くてみづらくなってるかもしれないけど、そこは勘弁な。

日本語と英語の読む速度の違いの原因

日本語でもあったように、認識の帯 (赤) が広い人は、意味の把握も速い。逆に文字の意味が速くないと、認識の赤帯は広くできない、とも言える。えーっとこの単語なんだっけ?とやってると結局遅くなってしまうからね。一度に把握できる文字の帯が広ければ、それを横にさーっと動かして文章を読んで行けるんだけど、多くの日本人の対英語ではそれがおこらない。なぜか?

単純に慣れが足りない。経験値不足。

日本生まれの日本人は、生まれた瞬間から日本語にさらされている。英語をやり始めるのが、小学校六年だとしても、すでにその時点で日本語歴十二年。まあ最初の二年は言語能力自体の開発に使っていたので、省略してもいいけど。キャリア十年の人に対して、さらに日常空間のほぼすべてが日本語を使うことを要求する。一方英語は、学校で週 1-2 時間?家でとか塾でやったところで、合計週 4-5 時間が関の山。仮に、英語に週 5 時間費やしたとしても、日本語は週 163 時間。話にならん。

しかも、文字に慣れていない + 英単語に慣れていない人は、「オン...ワンス...アップ...アポン...ア...タイム...ザ...ゼア...ワー」という風にやっている。これでは一文を読み終えるころには、最初の方なんだったっけ?となって、同じところを何度も読み返す。こうして、同じ時間で処理できる文章の量が全然増えない、日本語だったら数分あれば新聞記事の一つも読めているところが、英語だと文章に出てくる単語の意味を調べているだけで終わるということになる。これをいつまでもやっていては苦痛でもあるだろう。

ということで、一読みで読んで意味を把握できる量が増えれば、文章をスラスラ読めるようになる。これは日本語でも英語でも同じ。ただし、英語については、文字も違うし、言語体系も違うし、普段大して使ってない。慣れが足りない。語彙も足りない。ということは、文字に触れる機会が増えて、単語を多く知っていれば、読める量が増えて、それに応じて処理できる情報量も増えるし、苦痛でもなくなる、という具合。

というわけで、とにかく慣れです。YouTube のコメント欄読みまくるでもいいし、英字新聞読むでもいいし、漫画の英語版買ってきて読み比べるでもいいけど、とにかく経験値。まあ個人的な経験でいうと、本気で英語使えるようになりたかったら、最低週 10 時間は触れないとね。ちなみに今日のこれは読む話であって、聞いて話のはまた別の話ね(笑)。

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