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アクセントの話

昨日が文字の読み方の話だったので、今日はアクセントの話でもしましょうか。

日本語のアクセントというのは「音程の違い」でできている。ほかの音より高い音で発音されたところが、日本語ネイティブには強調されて聴こえたり、あるいはそれによって単語の意味を把握していたりする。一方、英語のアクセントは、音の強弱でできている、とされている。だから日本語の言葉を単語ごとに強弱をつけたり、逆に英語の単語を音の高低をつけて読むと不自然になる。

日本語の音の高低は、単語ごとに決まっていて、「箸 = は→し→」と「箸 = は↑し→」のように、同じ音でも高さを変えると意味が変わることがある。しかし、地域によってさらにこれのバリエーションがあったりすることもある。

有名なのは、共通語と関西弁の違いだな。「ひめじ」という土地がある。姫路城があったり、WINDZOR の出身地だったり、丸勝食堂があったりする、あそこだ。「ひめじ」は日本語の共通語 & 関東方言だと、「ひ」の音が高い。「ひ↑め→じ→」な感じだ。ところが現地 (関西圏) では、「ひ↓め→じ→」な感じだな。これができない関東人はむこうで「うわーきしょくわるー」などと言われたりする(笑)。

「ピアノ」は、関東では「ピ→ア→ノ→」だが、関西では「ピ↑ア→ノ→」になる。この切り替わりは、どうやら浜松あたりが境目らしいが、まあそのへんは今回は置いておく。

一方、英語のアクセントは、一般的には強弱とされているが、実際のところは、アクセントの部分を「時間をかけて言っている」に近いものがある。強く言った結果時間がかかっているともいえるんだけど、強く発音しただけでは長さは生まれないので、「強く長く発音する」という感じかな。英語は子音が多い言葉なので、日本語に比べて音の高低をつけるほど、アクセント以外の母音の音がはっきりしていないということもある。

アメリカ人が日本語を話すと「私の」が「ワターシノゥ」みたいになるのはそのせいで、日本語だと「ワ→タ→シ→」という発音が、英語にひっぱられて「ワターシ」になる。「タ」が「強く長く」発音されるので、「ワターシ」になる。ちなみに相対的にアクセントの前が弱音化されて、「ワ = wa」の 「a」が抜け落ちそうになる、つまり「wa」が「wə」になるという現象も発生する。

Grandmother (grˈæn(d)m`ʌðɚ) を発音するときに、アクセントは a と o なのだが、あえてカタカナで書くと「グラーンマザ」みたいな感じになるな。ゆっくり発音してみるとその意味がわかるかもしれない。英語はもともと音楽的なリズムの言葉とも言えるので、強く長く言うアクセントがしっかりしていると、次の弱い音 (この例だと nd ) につながりやすい。そして弱い音に戻ってきたら、次の強く長い音がまた発音されやすい、という循環になっている。

うーむ、発音を文字で書くって難しいなあ(笑)。

ところで、この違いを音楽に放り込んだ時にどうなるかというと、grandmother は grand-mother と 2 音節なので、音符 2 つで入るが、「おばあさん」は「お」「ば」「あ」「さん」または「さ」「ん」と 4-5 音必要になるという違いが出る。英語はアクセント以外のところを丸め込んでアクセントの前後に詰め込んで配置できるので、譜割の自由度が日本語より高いという一面もあるが、逆にアクセントの位置をきちんと理解していないと、けっこう恥ずかしいことになる。また、音節ごと音符に長めに乗せた場合、発音のアラが見えやすいという短所もある。最近英語のアクセントを理解しているリスナーが増えているので、こいつアクセントわかってるな、わかってないな、というのは結構すぐバレる。英詞の人はそれなりに訓練をしておいた方がよいぞ(笑)。なお、英語の方が意味を詰めやすいという意見については、小節単位ではそうかもしれないけど、歌詞を文章として考えた場合、やりようはあるので、一概になんとも言い切れないと個人的には思っている。

話すにしろ、歌うにしろ、このアクセントがわかっていれば、発音がカタカナでも、ネイティブ相手でもわりと通じる英語になる。逆に、このアクセントとそれ以外のリズムがわかっていないとなんだか通じにくい、ということになる。

最後に、特に英語で話す場合、アクセントうんぬんより、日本人はまず大きな声で話すということを心掛けた方がいいかもしれない。欧米人は基本的に声がデカいので(笑)、それに対抗して話をするには、日本語の二割増しくらいでちょうどいい。帰国子女の転校生が奇妙に見えるのは、振舞いが変ということもあるが、声がデカいということも一因になっている。大きめの声で発音すれば、アクセントとそれ以外のヶ所の相対的な差が生まれ、リズムもよくなる、という効果もある。

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