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英語なんて簡単だ


色々な言語について調べていくうちに、日本語以外に三種類の文字を使っているのはグルジア語 (ジョージア語) くらいしかないということがわかった。


グルジア文字の例

どういうことかというと、日本語では平仮名、片仮名という表音文字と、漢字という表意文字の三種類を使う。英語にしてもロシア語にしても、ラテンアルファベットという一体系の文字しか使わない。そういう意味では、日本語はかなり変わった言語だということがわかる。

ついでに言うと、実は日本語は五種類の文字を使っている。

I. 昨日私は家で缶コーヒーを 2 本飲みました。

という具合に、平仮名、片仮名、漢字、アラビア数字、ローマ数字の五種類を自在に組み合わせて使っている。そしてこのほかにアルファ、ベータ、ガンマ等のギリシャ文字とか、数学の記号とかそういうのも入ってくる。最近の顔文字ではトンパ文字やタミル文字などのあまり馴染みのない文字も実は使われたりしている。

ただ、それが即その言語が習得の難しい言語であるかどうか、ということとはまた別の問題だ。日本語は文法はあるけれど、口語では発音は簡単な方だし、文法がなくても単語を並べれば意味が通じる。最後に動詞を置けば文章がなんとなく成立するようになっている。

日本語には冠詞がない。単語の性 (男性、女性、中性) がない。格変化がない (そのかわりに「てにをは」があるが)。こういう面で言えば、ロシア語を始めとするスラブ語族やフィンランド語、ラテン語の方がよほど難しい。すべての単語に男性、女性、中性の区別があって、それぞれ七つずつ格変化がある...などと聞いただけで手を付けようという気が失せるというものだ。

文字表記の違いを英仏独で見てみると、

英語 フランス語 ドイツ語
性別 なし 男性、女性 男性、女性、中性
格変化 4 5 4
 文法 最初簡単、後も簡単 最初難しい、後でも特殊文法がある 最初難しい、特殊文法はほとんどないので後は簡単

と、こんな具合か。

英語には単語に性別が無いというのが非常に大きい。これがあるのとないのでは、覚える単語の数が 2 倍、3 倍と違ってくる。基本的にはパターンで覚えてしまうのだけど、判別が簡単であることに越したことはない。

日本語は漢字を一つ一つ覚えないといけないので難しいという声もあるが、アルファベットでも一つ一つ単語の綴りを覚えないといけないので、一概に言い切ったものでもないと思う。

何が外国語の習得を難しくするか

それはひとえに「母国語は何か」ということによる。日本語が母語の人からは、アルファベットがずらずら並んでいたら難しく見える。英語話者から見れば、日本語の文字一つに意味があるということを理解するのに苦労する。単純にそういうことなのだ。

習得しようとする外国語が、母国語とどれだけ違っているか、これが習得の難易度に他ならない。文字もほとんど同じなら、文法体系も重なっている、歴史的文化的にも近い、という意味で欧州人は英語の習得が用意だ。しかし、日本語は孤立語と言われ、他に近縁の言語がない (韓国語が日本語に似ているというのは、近代朝鮮語を整備したのが日本人であるためという説が有力)。したがって、日本人が外国語を習得しようとする場合、常に一定の難易度がある。

しかし、近年ではラテンアルファベットでの表記というのは相当に日本の中に入ってきている。英語というのは、文法的にもフランス語やドイツ語から見たら簡単な方だ。あるいはフィンランド語、ロシア語、ラテン語に比べたら嘘みたいな簡略化された言語なのだ。

ちなみに大学一年の時に必修授業でタイ語の授業があったのだが、中学高校で六年間英語をやってきたのに、文字が違うというだけでちんぷんかんぷんだった。ラテンアルファベットで書かれた資料をもとにタイ文字を判別するのは非常にしんどかった。

というわけで、日本人が英語が難しいという説は、以下の三つの理由による。

・日本語話者だから → 英語が近隣語でないのでハードルが高め
・日本語の方が発音が簡単 → 日本語にない音は聴きとりづらい
・日本人は国内にいる限りは英語をそれほど必要としていないから

と書いてみて、今回一番目の理由についてしか書いてないことに気づいた(笑)。以下二点についてはまた後日...。

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