音楽

1 万時間練習してますか


楽器にしろ何にしろ、何かでプロ級になるためには 1 万時間の修練がいるという話がある。

10000 時間というと結構な時間量だ。毎日 3 時間休まずやり続けて約 9 年かかる。1 日 6 時間で 4 年半強。1 日 2 時間だと 13 年以上かかる。

しかもこれにはトレーニングのし過ぎでけがして休んだり、風邪ひいて動けなかったりする時間は入ってない。やらなければゴールが遠ざかるだけの話だ。

学生の間には、好きなことに没頭する時間を 1 日 3 時間取るというのはそれほど難しいことではないかもしれない。しかし社会人になってしまうと、仕事以外のことに 3 時間確保するというのはかなり難しい。家事もしなきゃいけないし、家族がいたりするとなおさらで、週に 3 時間がせいぜいということにすらなりかねない。

ちなみに週に 3 時間だと 64 年かかる(笑)。

しかもこういうのに当てはまることって、だいたいトレーニング要素が大きいから、1 日 6 時間やっても 3 日くらい休んでからまたやろうとしても、前にやったことを復習する時間が必要になる。こないだやったことがまたできなくなっていて、それを取り返すことから始めないといけない。そうすると 6 時間のうちの何割かが前回の復習に費やされ、進歩するための練習の時間は割り引かれていく。

練習し続ける才能

こういう長期的な練習をしかも独学でやっていくにはいくつか要素があると思っている。

毎日少しでもやるモチベーション

人によってやり方は様々だけど、個人的には毎日練習に取り組むのが良いと思っている。楽器にしても運動にしても。だから、気軽に触れる状態にしておくと良いと思う。たいそうな装備や準備が必要なものは、それを整えるだけで億劫になりやすい。

ただ触っていればいいというものでもない

「練習」というからには、ただ楽器触っていれば練習になるかというとそうでもない。目的を持って目標を設定して取り組まないと、効果が薄い。そしてその目標を設定し続けられるかどうか、ということも長期的な練習にはかかせない。

あれもやりたいこれもやりたい、はいいんだけど、全部いっぺんにできないからやめた!では意味がない。あれもこれもやりたいから、できるものから順番にやっていこう、という風にできると良いんじゃないかな。少なくともできるものから手を付けていこうというくらいでなくては。完遂するかどうかは別にして(笑)。

楽しくやる

基本的には練習は楽しいものだと思う。1 日 3 時間取り組んで何もできるようにならないということは、おそらくほとんどないと思う。できなかったら取り組み方の方が悪いと考えた方が良い。

これは作曲なんかとは別で、3 時間曲作りに費やしてみたけど何一つ使えそうなフレーズが出てこなかったということはある(笑)。が、練習はまた別だ。技術的な習得が目的なので、クリエイションとは異なる。

バイオリニストの葉加瀬太郎や Dream Theater の John Myung なんかは、子供の時から楽器を 1 日 6 時間練習していたけど、全く苦じゃなかったと言っていた。葉加瀬に至っては練習できない方が苦痛だったので、修学旅行に行かなかったと言っていたくらいだ。

好きなことが上達するから楽しい、楽しいから続くし、そして明日もやりたくなる。こういうサイクルが良い。

世の中すぐに才能があるないを言いたがるんだけど、一つのことにずっと取り組み続けられることも一つの才能だと思うよ。「練習し続けられる才能」っていうかな。世の中一つのことを毎日続けられない人がどれだけいることか。

遠回りすると引き出しが増える

「王道」「定番」というのはあるけれど、自分がやりたいようにやって後から気づいてそれが遠回りだったとしても、それは無駄ではない。人がやらないことをやればオリジナリティになるし、そこに時間をかけたということは、人より深く理解しているということでもある。だから無駄な練習というものは、多分ない。だけど一方で、効率の良い習得の仕方というものもある。まあそのへんはケースバイケースだな。

プロは案外時間がない

プロになれば一日中楽器を弾けるのに~と思う人もいるかもしれないが、案外そうでもない。

その道で飯を食っていけるようになると、成果を出すことに時間を費やさねばいけないようになる。テクニックよりクリエイティビティの方が重要視され、期間内でクライアントの要求を満たすことが求められる。練習は空いている時間にやれ、ということになる。

そうすると日々降ってくる仕事を捌くのにかかりきりになって、技術的なトレーニングに費やす時間がどれだけ取れるかはわかったものではない。しかもそのレベルになってしまえば、新たに技術を開発したり、さらに高度なものを習得するというのには、大変なエネルギーを要する。現在のレベルを落とさないようにすることにすらエネルギーがいるのに。

そう考えると、プロになる前に死ぬほど練習しておかないとね、ということだな。

おれみたいにコツコツ努力するのが嫌いな人は、毎日楽しくするためにはどうすればいいかを考えるといいんじゃないかな。ギターを弾くと楽しい、これが弾けるようになると楽しい、これくらい指が動くとすごく楽しいだろう。じゃあどうしようか?みたいに。

と、ここまで書いて思ったのだが、練習を練習と思わなくなったらその道で食えるんじゃないかしら?好きだから毎日やるし、ずっと触れていたい。それをやり続けていたら、仕事が来るようになった、的な。

確実に言えるのは、やった人、やり続けた人にだけ見える景色がある。それは金では買えない自分だけのもので、他の人が同じようにやったからと言って同じものが見えるわけではない。練習は無駄にならないってことだな。

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