音楽

良いライブの話


ロックバンドが果てし無く追い求め続ける「良いライブ」の定義。「良いライブ」とは?

その定義は、ないようで実はある。それは「おれが良いと思ったライブ」。これが「おれにとっての良いライブ」。

「おれが良いと思う」というのは 100% 主観なので、おれが良いと思うものを他の人も良いと思うかどうかはわからない。

全く人気ないバンドでも「こいつらなんかいいんだよな~」と思うのもいるし、大メジャーのアーティストでもちっとも良いと思わないのもいる。

たとえば、2015 年の LOUDPARK で BABYMETAL を観た。彼女らの音源はとても好きだ。日本盤と EU 盤それぞれ買ったくらいに好きだ。だが、このライブはあまりピンとこなかった。

演奏は超絶で一分の隙もないし、メイン三人のビジュアルは良いし、歌にも破綻はないし、ダンスパフォーマンスも相当なものだったと思う。

どこが不満なんだと言われれば、確かに不満はなかった。だけど「ライブとして」好きにはならなかった。

なんかこう、展示物みたいだったんだよね。完成度高すぎて肉っぽさがないと言うか、あまりに筋書き通りのパフォーマンスなので、こっちの懐まで飛び込んでこないというか...。

かと言って、歳のいったおっさんが長髪振り乱してシャウトしていれば、それだけで好みのライブになるかと言えば、そんなわけはないんだけど(笑)。

とはいえ、Twitter なんかでは激賞されていたし、その後の彼女らの活躍ぶりは周知のとおり。ワールドクラスのアーティストつかまえて何が「ピンと来ない」だなんだが、単純におれの好みにフィットしなかったというだけの話。

でも 3 枚目出たら多分買う(笑)。

支配力

個人的に数千のライブを観てきて思うのは、「ボーカルにフロアを支配する力」があるバンドのライブは良いライブだと思うことが多い。オーディエンスを「掌握している」というかな。「支配される喜び」というか。M っ気あんまりないんだけど。

何がどう掌握・支配しているんだと言われれば、「なんとなく」とか「見ればわかる」としか言えないが、とにかくそういうことだ。曲が好きだという前提はあるにしても、そのパフォーマンスに同調したくなる。

メジャー、外タレで言えば、Arch Enemy の Angela Gossow、Helloween の Andi Deris、あとは At The Gates の Tomas Lindberg とか。ライブ始まった瞬間に頭をわしづかみにされて「おらー!こっち向けー!」とどやされる気がする。それがいい(笑)。

あと毛色違うけど GLAY の TERU。声質の透明感がすばらしくて耳の奥に刺さる。昔よく聴いてたってのもあるかもしれないけど。

オーディエンスの振舞い

ライブつながりで、こないだ知人がライブハウスでモッシュの外にいたのに将棋倒しになってケガをしたので、ちと書いておこう。

個人的に「ライブハウスにはルールはないが、マナーはある」と思っている。ホントはルールあるんだけど(笑)。「ライブハウスはそういうことが起きるところ」という認識があることもわかる。ただ、それは個人個人の心構えの話で、実際何か起きてしまった時には言っちゃダメなのよね。

おれもサークルの中にいたりモッシュに飛び込んだこともある。最前列付近で人が降ってきてかかと落とし喰らったり、サーフに押しつぶされたり、ライブ終わったらなぜかアザが数か所できてたこともある。ただ、それは「そういう風になっても構わない」と思ってそういう地帯に行っているから別にいいのよ。

そういう風に思うから、フェスで将棋倒しになったのを見つけたら引っ張り出してやるし、小柄な人がモッシュの中で転倒して踏まれてたりしたら救出してやる。それはただのお互い様なんだよね。

ところが、全員が全員そういう楽しみ方をしたくてライブに来てるわけでもない。おれみたいに視覚優先で「見たい」人もいるし、音を聴きたい人もいる。頭振りたい人もいる。もちろん走り回りたい人もいる。

ラウパみたいな巨大なフロアだったら適度に住み分けができてるからいいんだけど、小さな (100-200 人規模の) ライブハウスでは必ずしもそうはいかない。

走り回るには誰かを押しのけてスペースを作らないと行けないし、長い髪でヘドバンすると隣や後ろの人に髪が当たるだろう。尖った鋲のようなアクセサリーをつけていると誰かに刺さるかもしれない。

その「かもしれない」には先があって、余りに大きなスペースを確保すると誰かを押し倒すかもしれないとか、ヘドバンした髪が誰かの目に刺さって痛い思いさせるかもしれないとか、まあ色々ある。

そういう「かもしれない」に対して全て責任取れるのであれば、そのようにやってもいいのかもしれない。だけど人の目をケガさせたり、骨折させた時に治療費払ったからってそれが責任取ったことになるかと言うと、そうは思わない。

そういう時に責任取るっていうのは、そもそもそういうことを起こさないってことよ。

例えばワンマンだったらそのバンドの毛色を知っている人がほとんどだろうから、アグレッシブなバンドなのに前の方で棒立ちだったらそりゃ「空気読めよ」と言われるだろう。ところが、数バンド出るライブの場合には、ホントに色んな人がいる。最近では車椅子の人や子連れの人もいたりする。

そういう種々雑多な人がいるところで、盛り上がっちゃう気持ちもわかるけど、程度考えろってことよね。別にモッシュとかサークルとかの文化を否定する気はないんだけど、何でもかんでもやりさえすれば、オーディエンスが気持ちよくなりさえすればいいかっていうと、その陰で意に反して痛い思いした人がいたんじゃ、それはただのオナニーなわけで。

100 人が 100 人、1000 人が 1000 人全員が 100% 楽しいライブというのは難しいかもしれない。ただ、それとケガ人が出るっていうのは別の話だと思うんだよね。ケガの一つや二つ上等って言う人はいるだろうけど、そういう人は前の方、そうでもない人、ケガしたくない人は後ろの方っていう暗黙の住み分けがあるじゃない?

その領域を侵してしまうと、あんまり良いことにはならないと思うんだよね。

なので、何しようが構わないんだけど、程度を考えてね、っていう話。それがライブハウスにおけるマナー。

というわけで、みんなで楽しんで、みんなが楽しかったねと思えるライブが良いライブ。

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