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表現の自由を許さない風潮

2018/06/17


RADWIMPS の HINOMARU が一部の人間から叩かれている件で言いたいことがあるので書いておく。

そのまえに、おれは別にこのバンドを大して聴いてないし、今回の件の歌詞も読んだし曲も聴いたけど、まあなんというかおれの琴線に引っかかるものではなかった。

しかし、問題はそこではない。

問題はリリースされた曲について、廃盤にしろという連中がいることだ。あまつさえライブ会場前でデモをしようとしている。


断じて容認できない。

誰かがリリースした音楽について、自分が気に入らないから、自分の思想信条に反するからと言う理由で、SNS を炎上させたり、あろうことかデモをやると言って圧力をかける。

こういうのは表現の自由の侵害、言論弾圧っていうんだよ。他にもいくらでも言えるけれど、とにかくこれは重大な話だ。

これが逆でも同じことだ。例えば、有名なバンドが「日本はもうだめだ」「こんな国もういやだ」という曲を出したとする。

そのバンドは批判されるかもしれないけれど、その曲をリリースする権利はある。売れるかどうかは関係ない。

表現の自由、言論の自由が保障されている国では、どんな表現も許される。日本では憲法に「公序良俗に反しない限り」という条件はあるけれど、ことが音楽である限りにおいては、その線引きを越えることはない。

だいたい「この国が好きだ」って歌詞に書いたら叩かれるってなんだよ。叩いてるヤツはどんだけ器小さいのよ。

そんなこと言ったら、メタル界隈なんかしょっちゅう「戦争だ!」「戦え!」と大声で叫んでるし、ジャンルによってはアルバムごとに誰かぶっ殺しちゃったり内蔵出ちゃったり目玉抉り出されちゃったりしてるよ。そっちの方がよっぽど問題あるだろ(笑)。

でも誰も何も言わない。「そういう表現」だから。そしてそれを受け手がわかっているから。

文句があるなら音楽でやれ

メジャー、インディーズに関わらず、ジャンルに関係なく、文句があるなら音楽でやれ、と声を大にして言いたい。文句があるんなら、今からバンド作って RADWIMPS と同じ位置まで行って、武道館で 2 マンやれ。そしてそこで盛大に RAD をディスる曲をやれ。それが正しい。

RAD が気に入らねえって言うなら、RAD をディスる曲が沢山出てきたらいいと思うよ。それでカッコイイ曲が出てきたら、おれは聴くかもしれない。そして「RAD って影響力あんのな」と思うだろう(笑)。

表現の自由の反対側には、受け手がその表現を見たり聴いたりしない自由もある。歌詞が気に入らなかったら曲を聴かなきゃいいだけの話なんだよ。

それをだね、撤回しろとか廃盤にしろとか、ライブ会場前でデモするとか、見下げ果てた根性だ。自分らの思想信条のアピールにバンドを使うんじゃねえよ。

こういうのは非常に全体主義的で危険だ。なにしろ自分らの考えに反する他者は潰しても構わないという考えだからだ。民主主義、自由主義とは相いれない反社会的な存在だ。

むしろ叩かれるべきなのは、デモを企図している方だろう。

謝ったらダメ

今回の件について、作詞者の野田洋次郎からコメントが出てる。

今日、『カタルシスト』が発売になります。早くも手にとってくれたみんなありがとう。 ぜひ、とことん、聴き込んでくれたら嬉しいです。あなたの血液を、全身を、決意を、たぎらせる曲であったら本当に嬉しいです。 そして『HINOMARU』。 日本に生まれた人間として、いつかちゃんと歌にしたいと思っていました。 世界の中で、日本は自分達の国のことを声を大にして歌ったりすることが少ない国に感じます。 歴史的、政治的な背景もあるのかもしれません。色んな人がいて、色んな考え方があります。誰の意思や考え方も排除したくありません。 僕はだからこそ純粋に何の思想的な意味も、右も左もなく、この国のことを歌いたいと思いました。 自分が生まれた国をちゃんと好きでいたいと思っています。好きと言える自分でいたいし、言える国であってほしいと思っています。 まっすぐに皆さんに届きますように。 #カタルシスト #HINOMARU #写真は皆さんの投稿から

野田 洋次郎 Yojiro Nodaさん(@yoji_noda)がシェアした投稿 -


Twitter の日本語の部分は、「この歌詞で軍歌だとか右だとかそんなアホなこと言うやつが湧いてくるなんて考えもしなかった(笑)」とも読めるんだけど、英語の方で apologize を使っちゃダメなんだよな。

音楽をリリースする、自分の表現を世に問うっていうことは、賛同だけじゃなくて当然批判を食らう可能性もある。だから発表するものについては、「これは世界一素晴らしいものだ!少なくとも自分はそう思うから世に出す」という自信とプライドがないといけない。

リリースしました、叩かれたから謝りましたってんじゃ、「お前の作品ってなんなの?叩かれたら謝っちゃう程度のもんなの?」と言われても仕方がない。

ことは音楽に限らない。絵画でも舞踊でも、批判されたらその全部に徹底的に反論できるくらいの背景がないといけない。

ていうかほんと最近さあ、「日本死ね」は流行語大賞で、「日本が好きだ」の歌は叩かれるわけでしょ?この世の中大丈夫?

最後に、愛国っていうならこれくらいやれっていう台湾の Chthonic のナショナリズム全開曲を聴いてください(笑)

CHTHONIC - TAKAO - Official Video | 閃靈 [皇軍] MV

CHTHONIC - Broken Jade Official Video | 閃靈 [ 玉碎 ] MV (英語版)

ちなみに今回の件で個人的に一番気になったのは、歌詞のツメの甘さかな。言葉の選び方がおかしかったり使い方間違ってたりすると思えたところがあった。おれの好みの問題かもしれないけど、でもそれって「そういう表現なんです」でおしまいなんだけどね。

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