ライブレポート

【ライブレポート】絶対倶楽部 @ 吉祥寺CRESCENDO 2018/09/16


何かと噂のガールズバンド「絶対倶楽部」による、今年 3 月のワンマンライブに続いての 2 回目のワンマンライブのレポートを記す。

サウンド面の変化

前回の初ワンマンと比較して何が異なるかと言えば、それはもちろん正式メンバーのギタリスト夢兎 (むう) が加入したことだ。

それにより音の中核が確立され、全体のバンドサウンドに張りが出た。「ロックバンド」であるからには確固としたギターサウンドは欠かせない。

サウンド面の変化はそれだけではない。前回に比べて特に良い方向に振れてきたのが、ベーシスト一ノ瀬のベースサウンドだった。

前回と今回で環境の違いがあるので、一概に比較できるものではないという点を差し引いても、今回の中低域にフォーカスしていたずらに重さを求めないベーストーンは「当たり」と言えるだろう。

この弦楽器二人の活躍によって、キメを多用し展開の多い楽曲の魅力がより的確に引き出されてフロアに供給されていた。

もちろん今回のライブの参加者の満足度の高さはそれだけによるものではない。

複数の声を有機的に使い分けるボーカル天鶴、楽曲のもう一つの中核であるキーボードの瑠美奈、そしてボトムを支えるドラムの桐子。

個々のメンバーがそれぞれの役割を的確にこなしたからこそ、あの空間を作り出すことができたと言えよう。

楽曲とバンドサウンドの成長

楽曲面で言うとすれば、バンドサウンドの確立を急速にやってきたなという印象を受けた。

個々の出音が整ったということもさることながら、五人それぞれがそれぞれにバンドに対して音で貢献する度合いが、前回のワンマンに比べて飛躍的に高まっていた。

バンドとしてのレベルアップが如実に出ていた。

ニューアルバム「キマイラ」を聴けばわかることだが、彼女らの楽曲はいわゆるトラッドな「ヘビーメタル」ではない。

サウンド面でもアンサンブルでも、ギタリストの立ち位置というのは他の楽器と同位置に置かれ、それぞれの音 (ボーカルも含めて) が有機的に絡まり合うことで一つの楽曲、一つの作品と成っている。

セクションごとの展開は多く、4 拍子、3 拍子の交代は頻繁に出てくる。「キマイラ」で言えば、ポリリズムのイントロが印象的な “MASK”、 2 ビート感が心地よい “闇夜のサァカス” などは、ギターオリエンテッドなバンドがよくするところではない。

そういう意味では、プログレ的と言っていいほどの、色んな意味で「面白い」楽曲が詰まったのが「キマイラ」で、それをきちんとライブで再現し、かつライブならではの面白さも加味できるのが彼女らだと言える。

絶対倶楽部はメタルじゃない

もう一つ言うとすると、彼女らは「いまどきのガールズメタル」とは一線を画す存在だということだ。

いまだにどこのレーベルにも所属しない完全インディペンデント、狭義ではインディーズですらない。

言ってしまえば有志団体と同じ状態だ。

また、先に述べたように、楽曲的にも「メタル」的な楽曲は少なく、「プログレっぽいロックバンド」と言った方がより的確であるように思われる。

そんなわけで、絶対倶楽部を「ガールズメタル」という括りで捉えるにはためらいを覚える。

「絶対倶楽部」の目指すところ

そもそも彼女らは「ガールズ」という枠の中で評価されることを、それほど望んではいないだろう。

「強気」のコンセプトにしてもそうだし、ライブの MC の合間に見せる言葉の端々に見せるものからもそれが伺える。

のし上がってやろうという野心、現状と理想の乖離に対する危機感、時間の経過に対する危機感、音楽自体に対する飢餓感。

彼女らはそれを隠そうとしない。あふれ出る欲求と欲望が、「謙虚であるべき」という世間一般のモラルをはるかに上回り、細かい評判など歯牙にもかけないまさに「突進」ぶりとなって表れている。

彼女らは、女性に生まれたから女性の役割をこなしているだけにすぎない。

個々の存在としての評価、個の集合としての絶対倶楽部への評価は求めるだろうが、絶対倶楽部としての評価より女性であることへのそれが先に来ることを拒むだろう。

そういう強烈なエネルギーが彼女らから放たれていることが、特にライブを観ればおわかりいただけるだろうと思う。

彼女らが求めるものは、絶対倶楽部の音楽がどうか、絶対倶楽部がどこまで行けるか。これ以外には眼中に無いように見受けられる。

短期間でワンマンを 2 回成功させた。アルバムをリリースし、それが DISK UNION 週間チャートで1 位を取った。今回のワンマンもソールドアウト寸前まで動員した。

さていよいよ状況は整ったと言える。

今回のアルバムリリース、そして 2nd ワンマンが絶対倶楽部を世に問う最初の一歩だったと言って良いだろう。

アルバムにしてもライブにしても、一つ確実に言えることは、「まだまだ隠している」ということだ。

出し惜しみしているわけではないだろうが、今後絶対倶楽部が我々をさらに楽しませてくれる要素はまだまだ沢山ある、と確信している。

その先に何かやってくれるだろうという期待がある。その予感は日に日に高まっている。

その気配すらも楽しみに思えるほどに、今後の彼女らの猪突猛進ぶりから目が離せない。

オフィシャルサイト https://www.zettai-club.com/
公式 Twitter https://twitter.com/ZETTAI_CLUB
ワンマン専用 Twitter https://twitter.com/ZEKKURA_ONEMAN

■クロノツバサ

■絶対倶楽部過去記事
【ライブレポート】絶対倶楽部 @ 恵比寿 club aim 2018/03/21
[REVIEW] 絶対倶楽部 - METAMORPHOSE / PERFECT QUEEN

※本稿内で使用している画像はアーティストの許諾を得て掲載しています。(C) 絶対倶楽部 2018 Photo By Spicy

-ライブレポート

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