音楽

レコーディングエンジニアとの情報共有のススメ


DTMができて、ほとんど誰でも家でほいほいレコーディングができる状態になった。

一方で、それが進化するほどに、やっぱプロのレコーディングエンジニア(ミックス、マスタリング含む)ってすげーなと思う。

とは言ってもエンジニアさんはやっぱり他人。

個人あるいはバンドでああでもないこうでもないと時間とエネルギーをかけて作った渾身の作品の一から十まで知っているかと言ったら、そうではない。

依頼を受けるときにその曲を初めて聴くわけだし、その曲が今の状態になるまでにあったすったもんだなんか知りようが無い。

それでもちゃんとしたエンジニアはその曲が完成状態としてどうあって欲しいかというのを把握して実際仕上げてくれるし、なんなら「キミたちのやりたいことはこうでしょ?」と先回りしてくれたりする人もいる(笑)。

まあ、エンジニアが先回りしてくれるほどコミュニケーションが取れていれば無駄なフリクションは発生しづらいんだけど、初めて依頼する人にはそうはいかない。

じゃあわざわざお金を払ってレコーディング、ミックス、マスタリングエンジニアを起用する時に、事前に何をしておいたら物事が円滑に進むか、あるいは無駄が省けるかといったら、認識の共通化と情報の全開示だろう。

そこでその手助けとなる曲の構成表を作ることをオススメする。


これはおれがレコーディングエンジニアを立ててレコーディングする時に作ってる構成表。わかればいいので、エクセルで作る。

重要なのは、紙一枚で一曲の構造がどうなっているのかが一目で把握できること。

まあ転調がやたら多いとか変拍子多用な音楽をやる人はちゃんと楽譜で作った方がいいけど、4/4拍子中心の人はこれくらいでだいたいわかる。

左上のモザイク部分は曲名。右上にBPMを書いておく。なんなら曲のキーやギター、ベースのチューニングを書いておいてもいい。

枠で囲まれた長方形一つが1小節として4小節が基本で展開していく。

枠の左側にはセクション名と左端の小節が何小節めなのかを記す数字。96小節目の右側の塗りつぶされたところは、小節ではない、つまりセクションが変わって次の行に行くということ。

26小節目は2/4拍子(2拍)なので、特記しておく。27小節目からはまた4/4拍子に戻る。

だいたい普通のエンジニアさんだったら、作業を始める前にこれを見せて説明しておけば理解してくれる。事前にデータで送る場合にはどこかに以上の内容を書いておけばいい。

なお、「そんなんいらん!聴けばわかる」というエンジニアもいるし、「おー!助かる!」という人もいる。そこは人それぞれだけど、まあ作っておいて損は無い。

で、大事なことが一つあって、これをバンドメンバーとも共有しておくこと。

これがあると、例えばギターを録っていて他のメンバーが「2Bの終わりの2小節、77-78小節目、ちょっとリズムが揺れてるからそこを録りなおそう」とかギタリスト自身がエンジニアに「1サビと2サビにギターもう一本入れます」みたいなことが的確に言える。

ただし、これを作った人以外のバンドメンバーが認識してないと、「2Bの終わり」はともかく「77小節目」と言われても「どこ?」となるし、わからない方に合わせてブース越しにマイクで「ジャジャジャの後のジャジャーンだよ」とか言ったところで「ジャジャジャはいっぱいあるわ!」ということになって、セクションを確認する無駄な時間ができる。

そこで、この曲の構成もメンバーと共有しておく。

この画像で言えば、ざっくり「イントロ」じゃなくて、「イントロはキーボードから始まって9小節したら『Intro I』としてバンドが入ってくる。8小節進んだら展開して『Intro II』。Intro IIは9小節で、最後が2拍(8小節+2泊でも可)。その次が1A」という具合。

バンド側とエンジニアで共有しておくことをこれに書いておき、あとは個別に必要なものがあれば記入して忘れないようにする。

ギターだったら重ねるところに色をつけておくとか。

ちなみにこれはコード譜としても流用できるので、おれがサポートやカバーバンドやるときにも使っていたりする。

紙一枚で全体が把握できるので、曲やってる時に「あれ?次のセクションなんだっけ?」となった時にチラ見して「あ、Bメロか」と思い出して素知らぬ顔で弾き続ける、みたいな(笑)。

あとは、10曲とか録る場合には、ドラム、ベース、ギター、ギターの上物、ギターソロ、ボーカル、コーラスなどの項目を一覧表にしておいて、録り終わったところから塗りつぶしていくと「やった感」が出る(笑)。

まあなんにしろ、録りの無駄を極力省くことと、録り忘れを防ぐことが大事。

なにしろプロのエンジニアには時間いくらでお金が発生しているのだから!

「あそこのセクション、もうちょっとなんとかならんかな~」みたいなアレンジ面での不満は事前に解消しておくことが必須。

レコーディングスタジオに行ってからアレンジを考えてたらいくら時間があっても足りない。

突発的に思いついたらまあアリかもだけど、それでもそこでパッと弾けてすぐOKテイクになって、かつ他のメンバーが受け入れられるものに限る。

基本的にエンジニア立ててまでレコーディングする人は弾いたり歌ったりするのが好きな人だから、レコーディング自体は楽しい作業なはず。

そこで、無駄なストレスを発生させないとレコーディングはそのまま楽しいものになるし、逆に無駄が多くてイライラするとか時間が足りなくて日数が増えてコストがヤバいことになったりすると、楽しさが減る。

エンジニアとしても、作業が円滑に進めば気持ちよく仕事ができるだろうし、クライアント(バンド)がアレンジやなにかでモメだして喧嘩してたりすると、作業もはかどらないだろう。

そういう意味で、「省ける無駄は省く」「事前準備で解消できることは事前にやっておく」ことが大事。

その結果、ひょっとしたら作業が前倒しで終わってミックスの時間を増やせたり、レコーディングの費用を抑えることができるかもしれない。

エンジニア付きのレコーディングはバンドだけでやるもんじゃなくて、エンジニアの力も必要。そこで、エンジニアも同じチームに引っ張り込んでしまうとより良いものができる。

何しろこっちはお金払うんだからさ、エンジニアの能力は隅から隅までちゃんと買わないと(笑)。

まあ、やり方は色々あるとおもうけど、一例として。みなさまのレコーディングが円滑に進むことを願って。

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