社会

煽り運転の原因を考える


最近話題のアレ。

幸いにして、車の免許取ってから20年くらい、ここ10年は軽自動車ユーザーなのだが、そこまでひどい煽り、なかんずく前に割り込まれて停車を要求されるような経験は今のところまだない。

あるいは煽られてるんだが気づいてないか、あるいは気にしてないだけとう可能性もなくはないが(笑)。

日本で車が本格的に普及し始めてから半世紀以上が経つ。

その間煽り運転でのトラブルはなかったわけではないんだろうが、ここ最近目立つようになったのは、単純に目立つ事件が発生するようになったのもあるだろうけど、車の性能の向上がある一定ラインを超えたからというのもあるんだろうと個人的には思っている。

なにしろ最近の大きめのミニバンだと車重が2トンを超える。

そんな大きくて重い車がアクセルに足を乗せるだけでホイホイ加速していく。

そりゃまあ何か勘違いしてしまう人がいてもおかしくない。

とはいえ、軽自動車でも煽る人はいるのだから、それが全部ってことはないんだろう。

閉鎖空間と従順さ

兄がいるんだけど、彼は昔スピード出したがりで、今思えば煽り運転予備軍だったんだよね。

車好きなのは知ってたんだけど、ある日ホンダ・インテグラの最もスポーティなシリーズであるTYPE Rを買ってきてね。

おや?と思ってたんだけど、そのうちチューニングショップなんかにも出入りして色々いじって楽しんでたみたい。

ある日、ちょっと用事があって助手席に乗せて駅まで送ってもらったことがあったんだけど、都内の幹線道路で数百メートルおきに信号があるのに、その間で90km/hくらい出すんだよね。

んで遅い軽自動車やタクシーがいると文句を言うのよ。自分が出したい速さを妨害されたと感じていたんだろうか。

「いやいや出しすぎだし、向こうは法定速度内でしょ」と苦情を言うと、「だって出せるんだから出さないと。遅いのは良くない」みたいなことを彼は言ったのよ。

こんな危ない運転の横に乗ってたんじゃ命がいくつあっても足りないと思ったので、インテRの助手席は一度きりになった。

彼は今では車も手放して、そういうのを自覚したのかあまり自分でも運転したがらないようになった。まあ子供もいるからその方がいいよね。

念のため、インテRは悪くない。乗る人の乗り方が悪かっただけ。

でね、こういう人種って一定数いるのよ。

車って私的な空間を維持したまま移動できる。その空間には自分と自分の言うことをきいて走る車しかいない。

そうなると、おそらく万能感を覚えるというか、自分が主体になりすぎちゃうんだと思うんだよね。

だから、自分の意思が肥大してしまって、速度は出したいだけ出すし、他車の存在は邪魔と感じる。

そういう状況では、「おれが」しかなくて、道交法やマナーなんかどこかへ行ってしまう。

ハンドル握ると人が変わると言う人がいるのは、この閉鎖空間における自我の抑制ができないために異常に速度出したりオラついた運転をする。

んじゃないかなという推測。

コミュニケーション手段が限られる

車の運転中というのは、他者(他車)とコミュニケーションする手段がほとんどないと言っていいほどに限定される。

ヘッドライトのパッシング、ウインカー、ハザード、くらいかな。

しかもこの数少ない手段ですら、暗黙の了解の上に成り立っている不安定な存在だ。

ハザード二回なら「ありがとう」、三回なら「文句を言っている」みたいな解釈をしている人もいるらしい。

パッシングだって歩行者や曲がる車に譲る時に使ったり、警告に使ったりもする。

混雑している道で曲がろうとして、対向車からパッシングされたときにひょっとしたら「おい、行くんじゃねーよ」という意味かもしれない。

まあそのへんは臨機応変、空気を読むんだけど。

で、何がOKで何がアウトかという基準は人によって異なる。

車線変更したい車はいくらでも入れてやるという人もいるだろうし、かつてのうちの兄みたいな(笑)「一台たりともいれさせるものか!」みたいな人もいる。

たとえば、幹線道路への合流で、前の車に続いて一台おきに合流する流れになっていて、ここだろうと思ってウィンカー出して斜め後ろの車も入れてくれたから合流してハザード出した、みたいな状況があったとする。

普通ならそれで合流は完了するはずなんだけど、上に書いたような一定数いる変な人が相手だと、合流されたことにキレているかもしれない。

普通に考えれば意味が分からないが、最近の煽り運転のドラレコ動画なんかを見てると、「ん?今の流れでなぜキレた?」と思うものが多い。

はっきり言って、「変な人」のキレるポイントは普通の人にはわからない。まあ変なところでキレるから変な人なわけだが。

その変な人も、うちの兄みたいに車を運転してなきゃむしろ常識人、みたいな人がいるからタチが悪い。

で、そういう人相手に言語によるコミュニケーションが取れない状況でいるということは、もうそれだけで事態を悪化させる要因になってしまう。

昔から思ってるんだけど、車の後ろ側に何か短文で「合流します」や「ありがとう」と表示できる機能って搭載されないもんかね。

例えば軽自動車で高速道路を走っていると、追い越し車線は空いているのにベタづけにしてくるトラックなんかがいることがある。

そういう時に「これ以上スピード出ないので追い越してください」みたいな表示を出したい!(笑)

なにしろこっちは軽だからね。上り坂で100km/h維持するのって結構アクセル踏み込まないといけないんだよね。

でも燃費走行じゃなくなるからしたくないので、速度を斜度に食われるままに落としていって、80km/hで走っている。

そこに後ろから100km/h超えのトラックやらミニバンがやってきて「パー」とクラクション鳴らされても困る。

こっちは法定速度上限だし、なんならそちらの方が違法状態。

文句言われる筋合い無いのにプワーと鳴らされたりパッシングされたりしてあまりいい気はしない。

道交法の運用が緩い

そうそう、煽り運転につながる要素の一つとして、道交法の運用が甘かったり、状況に即していないことがあると思う。

一般道だと法定速度+15km/hくらいなら取り締まられることはほとんどないし、高速道路でも法定速度は80km/hだけど、だいたい100km/h以下に抑えておけばパトカーに怒られるリスクは相当減る。

そもそも高速道路は最低速度は60km/h、最高速度が80km/h。つまりこの速度内で走れという法制度になっている。

これがもう実情に合ってない。

首都高だと法定速度の50-60km/hくらいのところ、時間帯によっては1.5倍くらいの速度で流れているので、むしろ法定速度内で走ると流れを乱して危険な場合すらある。

そうすると、自分ルール、マイルールで走っていいという「誤解」が生まれる余地ができる。断言するがこれは「誤解」だ。

しかし、こういう状況を警察が取り締まらないので、流れに乗って円滑に走るためには道交法に違反せざるをえなくなる。

先述の閉鎖空間での自我の肥大とマイルールで構わないという誤解が合わさると、法定速度を守っている車がいたりすると、それを邪魔扱いするどころか敵視するという心理が生まれる人がいる。

「そういう連中には文句を言ってやらないと気が済まない」「なぜおれの運転の邪魔をするのか」「おまえは敵だ」となると、はい事件発生ということになる。

もちろん世の中の大多数の人は交通法規を守って安全運転を心がけて運転をしている。

ただ、少数ながら「変な人」もいるのも事実。

変な人の心理は普通の人にはわからないし、変な人が興奮状態で何かを言ってきても、一般人には理解できない。

そういう時は逃げるか警察署に駆け込むか、動画撮って後で警察に摘発を頼むしかないよね。

今まで変な人に巡り合わなかったからと言って、明日遭遇しないとは限らない。

はっきり言って有効な対策は無いと思う。

自分とみなさんがそういう目に遭わないことを祈るばかり。

あ、そうだ。車を運転してイライラしやすい人に贈るアドバイス。

石原都知事時代の東京都の算出によると23区内の平日昼間の車での平均移動速度は18km/hだそうな。

平均だから、信号と信号の間で30-40km/h出たら普通ということじゃないかしら。

都内では40km/h出たらラッキーということを心に留めておけば、速度出そうとも思わなくなるし、一台くらい前に入られたってどうということはない。

これ結構効くので都内を運転する人は覚えておいてくださいませ。

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