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最近使われなくなった表現


気づいた時にやる日本語観察のコーナー。

最近使われなくなった表現。

・いたずらっぽく笑う
・貴様

いたずらっぽく笑う

一昔前の小説なんかではよく見かけたんだけどね。

いたずらっ‐ぽ・い いたづらっ‥【悪戯ぽい・徒ぽい】
〘形口〙 (「ぽい」は接尾語)
① 好色らしいさまである。姿、態度などがみだらな感じである。
※人情馬鹿物語(1955)〈川口松太郎〉六「『一緒に寝てあげませうか』と、悪戯っぽい顔をしていひ」
② 悪戯をしそうなふうである。わるふざけといった感じである。
※黒猫(1930)〈龍胆寺雄〉三「僕の心にいたづらっぽい計画がうかんだ
出典:コトバンク https://kotobank.jp/word/%E6%82%AA%E6%88%AF%E3%81%BD%E3%81%84%E3%83%BB%E5%BE%92%E3%81%BD%E3%81%84-2006447

いたずらっぽい、いたずらな笑み、なんて使い方をしたものだけど、最近まず見ない。

他のより的確な表現に取って代わられたのか、あるいは「いたずらな」という表現を良いものとして受け取る人が減ったのか。

貴様

昭和50年代くらいまでの映画やドラマなどではよく見かけた表現。

き‐さま【貴様】
[代]二人称の人代名詞。
1 男性が、親しい対等の者または目下の者に対して用いる。また、相手をののしる場合にも用いる。おまえ。「貴様とおれ」「貴様の顔なんか二度と見たくない」
2 目上の相手に対して、尊敬の気持ちを含めて用いた語。貴殿。あなたさま。
「―もよろづに気のつきさうなる御方様と見えて」〈浮・一代男・一〉
[補説]中世末から近世中期までは文字通り尊敬の意を含んで用いられたが、それ以降はしだいに尊敬の意は薄れ、近世後期には現代とほぼ同様に用いられるようになった。
出典:コトバンク https://kotobank.jp/word/%E8%B2%B4%E6%A7%98-473391

上記補説にも書いてあるように、昔は「あなたさま」という意味だったんだけど、現代では男性が使う二人称代名詞になった。そして最近じゃ罵倒語になっている感がある。

「同期の桜」という軍歌の出だしの歌詞が「貴様と俺とは同期の桜」だったように、昔は悪い意味は全然なかったんだが、どうしてこうなったのか不思議だ。

昭和の映画なんかで「おい、貴様」と呼びかけていることは珍しくない。今でいう「おい、お前」「あのさあ」くらいの意味だ。

ひょっとしたらそれが野卑な感じがしたのかもしれない。

今では、漫画や小説の中で敵対する人物に向けて憎しみなどを込めて使う。「き、きっさまぁ~」みたいに。

そういえば、呼びかけの言葉と言う意味では、手前(てまえ)が最近では同様に「てめえ」と罵倒気味に使われているのもなかなか興味深い。

「手前」は文字通り自分のことをさしていたのが、相手に向ける言葉になっている。一人称が二人称になったんだな。

関西では「自分」という二人称があるくらいなので、日本語ではこのへん案外曖昧なのかもしれない。

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