政治

今日の香港は明日の台湾、明後日は日本


台湾で総統選挙と議会の選挙があった。

■台湾総統選、現職の蔡英文氏が圧勝 対中関係さらに緊張 (ロイター)

現職の蔡英文総統が圧勝し、議会でも過半数を維持した。

報道によると投票率は74.9%、1400万票あまりの投票のうち817満票を獲得、議会では彼女が率いる民進党が定数113のうち61議席を獲得した。(なお改選前は68議席)

蔡英文氏は誰の目にも明らかなように、台湾独立派だ。

台湾の自立を掲げる蔡英文が大勝したことは日本にとっても影響がある。

なぜかと言えば、台湾は中国の海洋進出阻止の最前線だからだ。

このツイートの画像を見て欲しい。


一応画像もお借りして単独で貼っておく。

この画像を見て...韓国が黄色でいいのか?っていうツッコミは今はやめておく(笑)。

この画像を見ると、中国が海に出たいと思った時に、台湾と日本が猛烈に邪魔な存在だということがよくわかる。

ついでに東南アジアも含めるとこんな感じになる。

ひどい絵ですまんな。

一般的に言われている領海の概念をものすごく大雑把に追加している。

■青:日本
■黄緑:台湾
■黄:フィリピン
■ピンク:インドネシア
■橙:ベトナム
■赤:中国

要するに、中国は西太平洋に出ようと思っても、各国の領海が入り組んでいて自由には出られないということだ。特に軍事的な意味において。

しかも中国沿岸部は水深が浅く、潜水艦の運用に適さない。

これを打破するためにはどうしたらいいかと言うと、最も近くかつその後ろがいない台湾を突破するのが最も効果的ということになる。

ただ、台湾国民は香港の姿を見ている。

2046年までは一国二制度が保持されるはずだった香港が今強烈な圧迫を受けている。

「今日の香港は明日の台湾」という言葉が表すように、香港が飲み込まれたら次の標的は確実に台湾だという強い危機感が台湾にはある。

それがこの選挙の結果に表れている。

長らく英国統治下で自由と民主主義の空気を吸った香港人が共産党独裁を許容できないように、台湾も今更中国共産党の統治を受け入れられないだろう。

台湾についての誤解

台湾は中国の一部で自治領のように思われている節もあるが、それは誤りだ。

1945年の日本統治終了後は、中華民国が(条約上は)実行支配を開始した。

中華人民共和国が建国されたのは1948年だから、中国ができたときには台湾は既に中華民国の支配地域だった。

その後1950年に正式に国民党が台湾に遷都し、台湾全土を統治した。

以後、台湾は一度も中国の支配地域であったことはない。

じゃあなんで台湾がオリンピックでは中華台北になったりしているかと言うと、中華民国が1971年に国連から追放されてしまい、中国の意見が国際合意になってしまったからなんだな。

中国は台湾を自国の一部だと言い(『一つの中国』論)、台湾は独立国だと主張する(清国の後継国家という主張は破棄した)。

このうち前者が国際政治では採用されているということだ。

実際、台湾と国交を結んでいる国はほんの数か国に過ぎない。

日本も正式には国交を結んではいない。そのため、日本には中華民国大使館、台湾大使館なるものはない。

その代わり、台北駐日経済文化代表処という機関があり、建前上経済交流のための連絡所ということになっているが、これが事実上の大使館機能を果たしている。

今日の香港は明日の台湾、明後日は沖縄

台湾が独立国でいるということは、経済的な利益では言うに及ばず、安全保障の面からも日本にとって重大な意味がある。

台湾が破られれば中国は西太平洋へのフリーアクセスを手に入れることになり、今は沖縄に手を伸ばしているが、小笠原諸島なんかにも手を伸ばしてくるだろう。

と同時に日本本土への浸透工作も一気に拡大するだろう。

なにしろ中国は地球に残った数少ない帝国主義の国だからだ。

中華人民共和国の建国以来の領土拡大の様子を見ればわかるが、チベットを侵略し、内モンゴル、ウイグル(新疆ウイグル自治区)を併呑した。

自国の理屈で他国を蹂躙することにためらいがない。遅れてきた帝国主義なのだ。

中華の歴史では、対外戦争にちゃんと勝ったという話はそれほど多くはない。

中華はいつも異民族に侵攻されてきた。モンゴル人しかり、女真人しかり。

しかしやっかいなのは、そうでありながら、中華に入って建国された王朝は中華王朝になってしまうという点でもある。

そんな中で、一点弱点があるとすれば、中華王朝は強い相手とは正面切って戦わないと言う点だろう。

チベットやウイグルで虐殺をし、印中国境で小競り合いを繰り返してはきたが、アメリカとは事を構えていない。

中華の対外政策は、飲み込む、力で押しつぶす政策だ。

ということは逆に、力でつぶせないと思わせれば現在の中国の進出も防ぐことができる。

現在台湾にはアメリカ製の武器が多数配備されている。

これを日本は支援するべきだろう。すなわち中国に対抗するために日本も軍事力を強化してする必要がある。

現在アメリカのトランプ大統領は台湾人権法を成立させ、明確に台湾を支持し、中国と対峙する姿勢を打ち出した。

日本がこれに追随することは日本の国益にかなう。

確かに中国は大きな市場ではあるが、市場のために日本の安全と独立が脅かされてはならない。

経済は安全保障に優先しないのだ。

台湾が台湾であり続けることは、日本の安全に大きく寄与する。

その意味でも、今回の蔡英文総統再選の意義は大きい。

ただ、そうは言っても、香港がつぶされ台湾が破られるという日本にとっては最悪の事態が起きないとも限らない。

そのためにあらゆる対策を打ち、覚悟を決めて構えておく必要がある。

日本の政治家には国家百の年の計を立ててもらいたいところだ。

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